中性脂肪値が高い人はすぐに対策を
健康診断を受けて中性脂肪値が高いと指摘を受けていませんか?
それほど太っているわけでもないのに・・・。
見た目は痩せていて、太っているように見えない人でも、医学的には肥満に分類されるケースもあるので注意が必要です。
いわゆる内臓脂肪型肥満の人がそうです。
内臓肥満型脂肪の人はおなかだけがぽっこり出て、他は痩せている場合が多く、肥満だとは思われにくいのが特徴です。
内臓肥満型脂肪は女性よりも男性に多いです。
また、中高年になれば増えてきます。
内臓脂肪の蓄積によって中性脂肪が増えます。
中性脂肪が増えてくると、善玉であるHDLコレステロールが減ってきます。
善玉であるHDLコレステロールには、血管壁にこびりついた悪玉であるLDLコレステロールを回収する働きがありますが、減少してしまうとLDLの回収が難しくなり、血管が硬く、狭くなってきます。
そうなると、動脈硬化がどんどん進行してきます。
動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中といった命にかかわる病気を引き起こすのです。
なので、健康診断などで中性脂肪値が高いと指摘を受けたら、すぐに対策が必要です。
他のコレステロール値などが正常であっても、いずれ基準値を外れてくることになるので、今のうちに、早い段階で対策を考えなければなりません。
中性脂肪を減らすには生活習慣の改善が基本となります。
食事療法と運動療法が基本となるのです。
運動不足の人は毎日少しでも有酸素運動をするようにしましょう。
ウォーキングなどがおすすめです。
普段の通勤や移動なども、できるだけ歩くことを意識して、少しでも体を動かすように工夫することがポイントです。
また食事は、緑黄色野菜を多く摂るようにしたり、青魚を食べるように心がけましょう。
青魚は中性脂肪を減らして、血液をサラサラにしてくれますので、とても効果的です。
なかなか魚を食べる機会がない人は、サプリメントで摂取するのもおすすめですよ!
痩せていても中性脂肪が高い理由は
中性脂肪が高い人は太っている、というイメージが一般的ですが、見た目は痩せているのに中性脂肪値が高い人がいます。
それはいったいなぜなのでしょうか?
まず、痩せているのに中性脂肪値が高い理由には、遺伝性のものがあります。
ほんの少ししか脂質を摂取していなくても値が上昇する人もいます。
それから、偏った食事の影響で高くなる人もいます。
バランスの良くない偏った食事をしている人は、脂質の過剰摂取となり、中性脂肪が高くなってしまう人もいます。
そして一番注意しなければいけないのは、内臓脂肪型肥満の人です。
内臓脂肪は、腸など内臓の周辺につく脂肪です。
いわゆる「隠れ肥満」の人です。
見た目は太っているように見えないのに、内臓まわりは脂肪でいっぱいというのが隠れ肥満です。
このような人はメタボの危険性が大きいので、要注意です。
内臓脂肪は、食習慣の改善や運動の効果が出やすいという特徴があります。
なので、生活習慣を見直して、できるところから改善していけば、中性脂肪値も減らすことが可能なのです。
内臓脂肪型肥満の怖いところ
内臓脂肪型肥満はなぜ怖いのでしょうか?
内臓脂肪がたまっている人は、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病など、いくつもの生活習慣病を引き起こすことが多いのが特徴です。
腰まわりやお尻、太ももなどの下半身を中心にたまる皮下脂肪の脂肪細胞からは、動脈硬化を抑制し、インスリン抵抗性を減少させる物質も分泌されています。
しかし、内臓脂肪の脂肪細胞からはこれらの分泌が少なく、逆に高血圧や高血糖、脂質異常症(高脂血症)など、動脈硬化のリスクを高める複数の物質が多く分泌されます。
このため、「内臓脂肪型肥満」は、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)をもたらし、動脈硬化などのリスクを増大させる悪性の肥満で、メタボリックシンドロームの主役とされているのです。
なので、内臓脂肪がたまっている人は、こうした危険因子を併せ持っているわけですから、さまざまな生活習慣病に対する予防策を講じる必要があるのです。